傲慢の塔と呼ばれる場所がある。
世界の東の果てにある凶悪な魔物が外に出ないよう封じられた巨大な塔であり、ここが維持されているからこそ世界は戦乱の世にありながら闇の支配を受けることなく存続していられる。

そんな塔だが、一攫千金を狙えるダンジョンでもあった。
かつては命知らずの冒険者たちが乗り込み、それこそ阿鼻叫喚しながら時には命を落とす者もいたがそれから年月は経ち過ぎ、今では冒険者のほうが強くなり過ぎ、また一攫千金の宝物の価値そのものも薄らいでいた。

そして、運命は塔のその先へと延びようとしていた…
が、同時にそれは現状の終焉をも意味していた。
今日はそれほど遠くない未来、消滅するであろう傲慢の塔へ行くことになった。

190217

昔はひとたび出会えば一瞬で壊滅的な被害を受けて撤退を余儀なくされていたリッチも、誰もが余裕を見せて戦う。時代の変化とはかくも恐ろしいもので、あたしもまた自分の得た強さに対して少し増長するところもあったが、周りの仲間たちはみなあたしよりレベルが高い。襲い来る魔族をバタバタと斬り倒していくその姿はもはや昔の片鱗すら無かった。

人はどこまで強くなるんだろう。
あたしはどこまで強くなれるんだろう。

定刻を過ぎてテレポート帰還した後も、高揚感のようなものは無い。
当たり前に狩りをして当たり前に終わる、ここはそんな場所だったろうか。

護り樹は何も答えなかった。